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【第7号】Asanaで実現するワークマネジメント(前編)
Asanaの基本概念とタスク管理の革新
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業務効率化ラボ
2024/10/15

親愛なる読者の皆さま


業務効率化ラボの第7号へようこそ。今回から3回に分けて、ワークマネジメントツールの代表格である「Asana」について詳しくご紹介します。第7号では、Asanaの基本概念とタスク管理の革新的アプローチに焦点を当てます。

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📊Asanaの基本機能と導入メリット

Asanaの基本機能を理解することで、このツールが業務をどのように変革できるかが明確になります。また、導入メリットを知ることで、組織にAsanaを取り入れる意義がより明確になるでしょう。


基本機能:

1. タスク管理:

  • 個人やチームのタスクを一元管理
  • タスクの作成、割り当て、期限設定、優先順位付け
  • サブタスクによる複雑な作業の分割管理
  • タスクの依存関係の設定


2. プロジェクト管理:

  • プロジェクトごとにタスクをグループ化
  • 複数の表示形式(リスト、ボード、カレンダー、タイムライン)
  • プロジェクトテンプレートの作成と使用
  • マイルストーンの設定によるプロジェクト進捗の可視化


3. チームコラボレーション:

  • タスクへのコメント機能
  • ファイル添付機能
  • @メンション機能によるチームメンバーへの通知
  • タスクのフォロー機能


4. カスタムフィールド:

  • プロジェクトやタスクに独自の項目を追加可能
  • 数値、テキスト、ドロップダウン、日付などの多様なフィールドタイプ
  • カスタムフィールドによる詳細な情報管理と分類


5. レポート機能:

  • プロジェクトの進捗や個人の生産性を可視化
  • カスタマイズ可能なダッシュボード
  • タスク完了率、期限遵守率などの KPI 追跡
  • チームのワークロードバランスの分析


導入メリット:

Asanaを導入することで、以下のようなメリットが感じられるはずです。

  1. 情報の一元管理によるコミュニケーションの効率化
  2. タスクの可視化による進捗管理の容易化
  3. チーム全体の生産性向上
  4. リモートワーク環境下での協働促進


🏗️Asanaのコンセプト:階層構造

次に、Asanaの核心部分である階層構造について深掘りしていきます。多くの方が「タスク管理ツール」と聞いて思い浮かべるのは、単純なTo-Doリストかもしれません。


Asanaはそれをはるかに超える洗練された構造を持っています。特にカスタマイズする必要もなく、この階層構造を利用することができるのは、Asana導入の大きなメリットです。


Asanaのコンセプトを理解することができれば、複雑な業務や大規模なプロジェクトも効率的に管理できるようになるでしょう。



Asanaは「タスク」「プロジェクト」「ポートフォリオ」という3層の階層構造を持っています。それぞれの定義と特徴を見ていきましょう。

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  • タスク:
    • ほとんどの人が日々取り組む、対応しやすい仕事の単位
    • 具体的なアクションを表す最小単位の作業
    • 例:「ロゴデザインの作成」「アンケート内容の確定」


  • プロジェクト:
    • 関連するタスクをまとめたもの
    • 新商品販売やマーケティング関連など、特定の視点や分類で同じカテゴリに入る様々なタスクの集合
    • 例:「ウェブサイトリニューアル」「顧客満足度調査」


  • ポートフォリオ:
    • 複数のプロジェクトをグループ化した最上位の階層
    • 組織的な目的や大まかな進捗監視のために活用する
    • プロジェクトには収まり切らない大規模な取り組みなどを管理する
    • 例:「2024年度事業計画」「新製品開発」


この階層構造の中で、「マイルストーン」は重要な役割を果たします。「マイルストーン」とは、プロジェクトの進捗を把握する上で重要な節目のことであり、Asana上はタスクと同階層で定義できます。


また、Asanaにおいては、タスクは必ずしもプロジェクトに紐づけられる必要はなく、それ単独で登録することも可能です。タスク自体をチームの他のメンバーに共有しておけば、タスクの中のコメント機能を用いて、メンバー間での質問などのコミュニケーションが可能です。


Asanaは極めて柔軟な構造を持っており、これにより、様々な業務形態や管理スタイルに対応することができます。小規模なタスクから大規模なプロジェクト、さらには組織全体の目標まで、一元的な管理が可能なことは、Asanaの強みと言えるでしょう。


🔀複数プロジェクトに属するタスク

更に、Asanaでは1つのタスクを複数のプロジェクトに関連付けることができます。一見すると些細に思えるかもしれませんが、この機能こそがAsanaを他のタスク管理ツールと一線を画すものにしています。


実際の業務では、1つのタスクが複数の文脈で重要になることがよくあります。Asanaはこの現実世界の複雑性に対応できるよう設計されているのです。


このAsanaのコンセプトにより、Asana上では、1つのタスクをそれぞれのプロジェクトのメンバーが参照し、コメントすることが可能になっています。これは、部門を超えた情報共有と協力を促進するために役立ちます。


実際に、このコンセプトが役立つ例を3つほど挙げてみます。


例1:新商品のロゴデザイン作成タスク

  • プロジェクト1:「新商品開発」
  • プロジェクト2:「マーケティング施策」
  • プロジェクト3:「デザイナーAの業務管理」


新商品のロゴデザインに関するタスクを、上記の3つのプロジェクトに同時に紐づけることで、製品開発チーム、マーケティングチーム、そしてデザインチームが同じタスクを異なる視点で管理・追跡できるようになります。


例えば、製品開発チームは製品コンセプトとの整合性を、マーケティングチームはブランディング戦略との一貫性を、デザインチームは作業の進捗状況を、それぞれ確認することになるでしょう。


例2:重要顧客向けプレゼン資料作成

  • プロジェクト1:「顧客A社案件」
  • プロジェクト2:「四半期営業目標達成」
  • プロジェクト3:「プレゼンテーションスキル向上施策」


この例では、同じタスクが顧客固有のプロジェクト、部門の目標管理、そして社内の能力開発という3つの異なる文脈で管理されています。


営業担当者、マネージャー、そして人事部門がそれぞれの観点からこのタスクを追跡し、必要に応じてコメントすることで、担当者への支援やアドバイスを提供できます。


例3:新システム導入に伴うユーザーマニュアル作成タスク

  • プロジェクト1:「新ERPシステム導入」
  • プロジェクト2:「社内文書管理改善」
  • プロジェクト3:「技術文書作成チームの業務」


このタスクは、IT部門が管理する新システム導入プロジェクト、管理部門が推進する文書管理改善プロジェクト、そして技術文書作成チームの日常業務の一部として同時に存在します。各部門がそれぞれの視点でタスクを管理しつつ、他部門の進捗や要件を随時確認できます。




これらの例が示すように、1つのタスクを複数のプロジェクトに関連付けることで、以下のようなメリットが生まれます:


  1. 情報の一元管理
    同じタスクに関する全ての情報が1か所に集約されます。
  2. 重複作業の削減
    複数のプロジェクトで同じ情報を管理する必要がなくなります。
  3. クロスファンクショナルな協力の促進
    異なる部門や役割のメンバーが同じタスクに対してコメントし、協力できます。
  4. 多角的な進捗管理
    異なる視点や目的からタスクの進捗を確認できます。


この機能を活用することで、組織全体の情報の流れが改善され、より効率的で透明性の高い業務管理が可能となるはずです。


📋タスク登録のノウハウ

Asanaを最大限に活用するためには、効果的なタスク登録が不可欠です。ここでは、タスク登録のコツとチェックリストを紹介します。


タスク登録のコツ

Asanaに限った話では無いですが、管理ツールにタスクを登録する際には、以下の内容に留意するようにしましょう。


1. 具体的かつ行動可能な表現を使用

  • 動詞を含む短いタスク名で登録する
    • 悪い例:「ウェブサイトの改善」
    • 良い例:「トップページのヘッダー画像を更新」


2. 明確で実行可能な説明を含める

  • タスクの目的、期待される成果、具体的な手順などを記載


3. 担当者の設定

  • そのタスクに責任を持つことができる者を割り当てる
  • 必要に応じて、サブタスクレベルで異なる担当者を設定することも検討


4. 明確な期日設定

  • 具体的な完了日時を設定
  • 担当者の仕事量を考慮し、現実的な期日を設定する


5. 完了条件の明確化

  • 何が達成されるべきかが明確になるような完了条件を記載する
    • 例:「3種類のデザイン案をPDFで提出し、クライアントの承認を得る」など


6. 関連情報の添付

  • タスク実行に必要な関連情報をすべて記載するか、リンクする
    • 参考資料、関連するタスクへのリンク、必要なアセットなど


7. タグやカスタムフィールドの活用

  • タスクの種類や優先度に応じてタグ付け
  • プロジェクト固有の情報をカスタムフィールドで管理


チェックリスト

効果的なタスク管理のために、以下のチェックリストを意識することをおすすめします:


  • このタスクはそもそも実行する必要があるのか?
  • このタスクは、このチームの担当範囲か?
  • 担当すべき適任な人物やチームは、他にいないか?
  • 作業を開始可能なレベルでタスクは明確化されているか?
  • このタスクに着手するのに必要な情報へのリンク、添付ファイル、アセットは揃っているか?
  • 担当者の仕事量に対して、妥当な期日が設定されているか?


このチェックリストに対して、ひとつでも「No」がある場合には、依頼元と担当者の間での認識の擦り合わせが必要となります。これにより、後々の手戻りや混乱を防ぐことができます。


🚀Asanaでのプロジェクト管理

次にAsanaを使用したプロジェクト管理について、考えていきましょう。効果的な運用をする上で注意すべき点を以下にまとめました。


プロジェクト管理のノウハウ


プロジェクトテンプレートの活用

  • 繰り返し行うプロジェクトについては、テンプレート化することで設定作業を効率化する
  • 標準的なタスクや手順については、テンプレートに予め設定しておくことで、プロジェクト立ち上げの時間を短縮する


マイルストーンの設定

  • プロジェクトの重要な節目を可視化するために、マイルストーンを設定する
  • チーム全体での進捗共有においては、マイルストーンを用いることで目標を明確化する


依存関係の設定

  • タスク間の前後関係や依存関係を明確化する
  • プロジェクトのクリティカルパスを把握し、遅延リスクを事前に特定する


定期的なステータス更新

  • プロジェクトの現在の状況を定期的に更新する
  • チーム全体で最新の状況を常に共有する
  • コメント機能を活用した非同期コミュニケーションを促進する


Asanaでのプロジェクトステータス

Asanaでは、プロジェクトの状況を明確に表現するために、以下のようなステータスを活用することができます。


  1. 順調
    • 計画通りに進んでおり、マイルストーンが達成できる見込みである
    • チームメンバーは通常通り作業を継続
  2. リスクあり
    • プロジェクトの完了に影響しそうな問題がいくつか発生しているが、解決できる見込みである
    • 潜在的な問題に対して早期に対策を講じる必要がある
  3. 要対応
    • プロジェクトは失敗する可能性があり、進捗を阻害する課題を解決する必要がある
    • プロジェクトマネージャーや上位管理者の介入が必要
  4. 保留中
    • 何らかの理由でそのプロジェクトの活動は活発には動けていない
    • 再開に向けた条件や時期を明確にしておく
  5. 完了
    • プロジェクトのすべての目標が達成され、作業が終了した状態
    • 振り返りや学んだ教訓の共有を行う


これらのステータスを適切に使用することで、プロジェクトの現状を一目で把握でき、必要な対応を迅速に行うことができます。


また、定期的にステータスを更新することで、face-to-faceのミーティング時間を削減し、より効率的な進捗管理が可能となるでしょう。


📅次号予告

次回は、Asanaを活用したワークロード管理とキャパシティプランニングについてご紹介します。チームの生産性向上と効率的なリソース配分を実現するための具体的な方法をお伝えします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回のニュースレターでお会いしましょう。

業務効率化ラボ運営チーム