親愛なる読者の皆さま、業務効率化ラボの第9号をお届けします。
これまでのニュースレターでは、Asanaを活用したタスクとプロジェクトの管理方法に加え、ワークロード機能によるリソース管理について、お伝えしてきました。
今回は、Asana活用の範囲を更に広げて、「目標管理とOKRの実践による組織パフォーマンスの向上」をテーマに、Asanaを活用した目標管理の方法について深掘りしてご紹介します。
Asanaの最大の強みは、個々のタスクからプロジェクト、さらには組織全体の目標までを一元的に管理・可視化できる点にあります。日々の業務が組織のビジョンや戦略とシームレスに繋がることで、チーム全員が同じ方向を向いて業務に取り組むことが可能となります。
なお、これからご紹介する目標管理機能を利用する為には、Asanaの有料プランを契約いただく必要があります。今回のニュースレターで興味を持った方は、是非、Asana公式サイトをご確認ください。
Asanaでは、以下のような階層構造で情報を管理できます:
この階層構造を活用することで、以下のメリットが得られます:
Asanaのゴール機能は、組織の目標設定から達成までのプロセスを包括的にサポートします。ここでは、その主な特徴と活用方法について詳しく解説します。
組織、チーム、個人の目標については、それぞれの目標項目ごとに更に下位の目標を設定することができ、それによって、組織の特性やニーズに合わせた柔軟な目標管理が可能です。
例えば、年度のチーム目標の配下に、四半期ごとや月単位のチーム目標を設定する等の活用方法が考えられます。
上記以外にも、レポート機能を利用することで、チーム別や個人単位での目標のステータス状況などをダッシュボードに表示することが可能です。
関連付けたプロジェクトやタスクの達成状況をその目標の進捗率の計算に用いることも可能です。
更に、最近のAsanaは、AIにも力を入れており、Asana AIを利用することで、目標の説明文の記載内容や下位目標や関連タスクの提案をAIにさせることができるようになりました。Asana AIの活用もお薦めです。
目標管理においては、組織の文化や業界特性に応じて適切なフレームワークを選択することが重要です。ここでは、世界的に広く採用されているMBOとOKRの2つの手法を紹介します。
MBOは、ピーター・ドラッカーが提唱した伝統的な目標管理手法で、組織と個人の目標を一致させ、明確な達成基準を設けることを目的としています。
1.目標設定の方法
2.運用の特徴
OKRは、インテルやGoogleなどのハイテク企業で採用され、近年多くの企業で注目を集めている目標管理手法です。
1.目標設定の方法
2.運用の特徴
MBOとOKRは目標の設定方法や評価の仕組み、環境への適応性などの点で大きく異なります。
達成可能で現実的な目標を設定し、確実な成果を目指すことが重視されるMBOに対して、OKRは、挑戦的で野心的な目標を設定することによる組織や個人の成長を重視しています。
目標達成度が報酬や昇進に直接関連することが多いMBOに対して、OKRでは目標と報酬を切り離して考えることが多いのは、その特徴に拠るものと言えるでしょう。
また、世の中の変化に合わせて目標を調整する柔軟性は、MBOよりもOKRに見られる特徴であり、その組織が何を重視するかによって、どちらの目標設定フレームワークを用いるべきか、その判断は変わってくるはずです。
それぞれの手法の特徴を理解し、組織の状況や文化に合わせて適切に選択することが重要です。
もしも、皆さんがOKRを採用したいと思ったとしたら、Asanaはベストな選択だと思います。Asanaを活用することによって、より効果的なOKR運用が可能となるでしょう。
ここでは、AsanaでOKRを実践するための具体的なステップと注意すべきポイントをご紹介します。
OKRの基本構造をおさらいしておきましょう。定性的な目標に対して、その目標を測定するための成果指標を3~5つ定めるのがOKRの基本的な枠組みとなります。
Asanaでは、上位のゴールにObjective(目標)を設定し、その下位のゴールKey Results(成果指標)をリンクさせることになります。年間OKRの下位に四半期OKRを設定する方法や、組織全体のOKRの下位にチームOKRを設定する方法もあるでしょう。実際の運用においては、このハイブリッドになることも多いでしょう。
ここでは、組織全体のゴールを実現するためのチーム目標を設定する前提で、AsanaでのOKR運用のステップをご紹介します。
1. 目標の設定
2. 進捗管理と更新
3. フィードバックと調整
Asanaでの各ゴールに対して、進捗とステータスの入力を促すリマインダーを自由に設定できます。(※週単位や隔週単位、月単位、四半期単位など)
下位のゴールに設定したKey Results(成果指標)を定期的に更新することで、上位のゴールに設定したObjective(目標)の進捗が可視化されます。
ここでは、具体的なイメージを持ってもらうために、OKRの具体例を示しておきます。
Objective 「市場シェアを拡大し、業界トップ3に入る」
Key Results
Asana上でこれらを設定することで、各チームが自分たちの役割と目標への貢献度を明確に理解できるようになります。
効果的な目標管理は、組織全体のエンゲージメントとパフォーマンスを高めることに繋がります。ここでは、Asanaを活用した目標管理を成功させるためのポイントをまとめます。
更に、小規模組織では、柔軟性と迅速性が求められますので、以下のポイントを特に意識しましょう:
次回以降は、業務効率化のための第3の重要ツールである「Notion」を活用したナレッジベース構築をテーマにお送りします。
日々の業務から生まれる知見やノウハウを、どのように効率的に蓄積・共有し、組織の知的資産として活用していくかは、多くの企業や組織にとっても課題となっているはずです。
それでは、次回のニュースレターでお会いしましょう!
業務効率化ラボ運営チーム