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【第5号】効率的なミーティングの実現
時間を奪うミーティングから、生産性を高めるミーティングへ
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業務効率化ラボ
2024/09/24

親愛なる読者の皆さま


業務効率化ラボの第5号をお届けします。今回は、多くの企業で課題となっている「効率的なミーティングの実現」について、具体的な方法を考えていきたいと思います。

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📈 効果的なミーティングとは?

ミーティングは、情報共有や意思決定のための重要な場ですが、同時に多くの時間を奪う要因にもなっています。米国の調査によると、管理職は週の約23時間をミーティングに費やしており、その半分以上が非生産的だと感じているそうです。


業務効率化ラボでは、ミーティングのような同期的なコミュニケーションよりも、非同期的なコミュニケーションの方が仕事の生産性が上がるという話を取り扱ってきました。(参考記事:【第2号】非同期コミュニケーションのススメ


同期的コミュニケーションが効果を発揮するのは、どのような場合でしょうか?


a) 創造的な協働作業

b) 複雑な問題解決

c) 感情面でのサポートが必要な対話

d) 重要な意思決定や危機対応


第2号のニュースレターでは、上記の4つの例を示しましたが、その他にも、複数の非同期コミュニケーションのやり取りが必要なテーマについて、一度のミーティングで結論を出すことが期待される場合などは、ミーテイングの開催は歓迎されます。


重要なことは、不要なミーティングを削減した上で、必要なミーティングについても時間を短縮することです。本来の業務に集中できる時間が増えることは、事業全体の生産性に高い効果が期待できます。


🔪 ミーティング削減チャレンジ

ミーティングが無駄だと感じていても、すべてのミーティングが本当に無駄かどうかを確信することは難しいものです。ミーティングを完全になくすという極端な対策は現実的ではなさそうです。

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しかし、以下の3つの方法でミーティングの削減に挑戦してみるのはどうでしょうか?


1. 参加者を減らす:

  • ミーティングの本質は同期的なコミュニケーションです。発言しない参加者がいた場合には、適切なメンバーが集まっているのかに疑いの目を向けるべきです。
  • 各メンバーをミーティングに招待する前に、そのメンバーが本当にその場に参加するべきなのか?自問自答してみるべきです。「○○さんは、このミーティングに参加する代わりに、後で議事録やタスクリストを確認するだけでは不十分だろうか?」
  • 参加者を必要最小限に絞ることで、より集中的で生産的な議論を可能とする効果が得られます。


2. 時間を減らす:

  • 長時間のミーティングほど、単位時間当たりの生産性は低下する傾向があります。多くの人が会議の途中で集中力が限界に来た経験をしています。
  • 1時間のミーティングを30分に短縮してみるのはどうでしょうか?時間制限を設けることで、参加者は効率的に議論を進める工夫をするようになります。
  • 「この議題について15分で結論を出さなければならない」という制約は、集中力と創造性を高める可能性があります。


3. 定例ミーティングを減らす:

  • 定例ミーティングは、しばしば惰性で行われがちです。
  • 例えば、週次の定例ミーティングを隔週に減らしてみましょう。代わりに、必要なタイミングで必要なメンバーを集めた臨時ミーティングを開催する方針に切り替えてみると良いでしょう。
  • この変更によって何が起こるか観察してください。問題が生じれば元に戻せばよいですし、問題がなければ大幅な時間節約になります。


これらの方法を試してみることで、ミーティングの数と時間を削減しつつ、より効果的なコミュニケーションを実現できる可能性があります。重要なのは、変更を加えた後の影響を注意深く観察し、必要に応じて調整を行うことです。


📝 成功の鍵=事前準備

効率的なミーティングの鍵は、事前の準備にあります。以下の点に注意してアジェンダを設定し、時間管理を行いましょう。


1. 明確な目的の設定:

  • ミーティングの目的を1文で表現する(例:「新製品のターゲット顧客を決定する」)
  • 目的を達成するために必要な議題のみを含める


2. 時間配分の明確化:

  • 各議題に適切な時間を割り当てる
  • 全体の時間を必要最小限に抑える(15分単位で設定し、1時間以内を目指す)


3. 事前作業の明確化と割り当て:

  • ミーティングの種類に応じた必要な事前作業をリスト化する
    (例:業績評価ミーティングの場合、評価データの確認や数値の更新)
  • 各参加者に割り当てられた事前作業のリストを配布する
  • ミーティング開催前に、全参加者の事前作業の完了状況を確認し、未完了のメンバーがいた場合には、その影響を評価した上で、ミーティングの進行を調整する


4. 事前資料の共有:

  • 議題に関連する資料を事前に共有し、参加者の準備を促す
  • 資料は簡潔にし、要点を明確にする
  • 全員が同じ情報を基に議論できるようにする


5. タイムキーパーの設定:

  • 会議進行中は、参加者1名をタイムキーパーに指名し、時間管理を徹底する
  • タイムキーパーは、各議題の開始時と残り時間を適宜アナウンスする


効果的なミーティングの実現には、参加者全員の協力が不可欠です。事前作業を怠ると、ミーティング中の議論が深まらず、全員の時間を無駄にしてしまう可能性があります。アジェンダと同様に、事前作業のリストを明確に示し、その重要性を参加者全員に理解してもらうことが大切です。


📊 フォローアップと成果の可視化

ミーティングの効果を最大化するためには、適切なフォローアップも不可欠です。ミーティング終了後のアクションについても、見ていきましょう。

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1. 議事録の作成と共有:

  • 決定事項、アクションアイテム、担当者、期限を明記する
  • 24時間以内に参加者全員に共有されることが望ましい


2. タスク管理ツールへの反映:

  • タスク管理ツールに決定事項やアクションアイテムを登録する
  • 進捗状況を可視化し、定期的にフォローアップする


3. 成果の測定:

  • ミーティングの目的達成度を評価する(例:5段階評価)
  • 決定事項の実行率や期限遵守率をKPIとして設定するのも良い


4. 継続的な改善:

  • 参加者からのフィードバックを定期的に収集する
  • ミーティングの運営方法や頻度を適宜見直しする


📅 スケジューリングの効率化

ある調査によると、ミーティングの日程調整自体にも、多くの時間が費やされていることが分かっています。このあたりは、ITツールを活用することで効率化が図れる部分ですので、便利なツールは、是非、使っていきましょう。


社内向け:共有カレンダーの活用

  1. Google CalendarやOutlook Calendarなどの共有カレンダーを導入する
  2. チームメンバーのスケジュールを可視化し、空き時間を把握する
  3. 定例ミーティングは繰り返し設定を活用する
  4. カレンダーに「集中タイム」を設けて、ミーティングをブロックするのも効果的である


社外向け:HubSpotの会議調整ツールなど

  1. HubSpotの会議調整ツールをセットアップする(無料プランで可能)
  2. 自分の空き時間を事前に設定する
  3. 顧客に専用リンクを送付し、都合の良い時間を選んでもらう
  4. 自動的にカレンダーに反映され、双方に確認メールが送信される


上記のツールは一例であり、類似のツールでも似たような取り組みは可能です。こうした方法により、何度もチャットやメールをやり取りする必要がなくなり、スケジュール調整の時間を大幅に削減できるでしょう。


🎓 次回予告:電子メール管理術「インボックスゼロ」の実践

次回は、多くのビジネスパーソンが悩まされている「メール処理」の効率化について、「インボックスゼロ」の考え方と実践方法をご紹介します。


メールに振り回されることなく、本質的な業務に集中するための具体的な方法をお届けします。お楽しみに!


業務効率化ラボ運営チーム